黒部峡谷を描いた作品
平山郁夫作品集

「幻の瀧」
1995年(平成7年) 116.5×80.3
紙本着彩
黒部峡谷・下の廊下に位置する十字峡の支流、剣沢にある剱大滝は、全12段、高度差135メートルの大滝です。
滝への到達は困難を極め、これまでにこの滝の全貌を見た人は数えるほどにすぎません。
瀑布の音が峡谷中に響きわたりますが、滝の姿が見えないため、「幻の瀧」の通称があります。
1982年10月ベテランガイド高嶋石盛氏は、剱沢の完全遡行と、剱沢大滝全段の登頂に成功。測量と撮影を行い、
世に紹介した
ことによって大反響をよびましたが、到底普通の人が行けるところではなく、また上空からでも全段を見ることは
出来ないため、現在でもまさに「幻の瀧」であり、秘境黒部を象徴する滝となっています。
平山先生には、高嶋氏の協力と案内によりヘリコプターから取材をしていただきました。
荒々しい緑の懸谷と急峻な水の流れ。ヘリコプターのホバリングによるわずかなスケッチ時間の中で、画家の眼を
捕らえた大自然の雄大さと神秘性が画面中を占めています。
垂直に切り立った断崖は、複雑に角度を変えながら奥へ奥へとつづき、荒々しい山肌を深い緑の樹々が覆っています。
谷底を、真っ白な飛沫をあげた水が怒涛の轟きとともに駆け抜けていきます。
ここに描かれているのは、今なお人を寄せ付けない荒々しい大自然の姿そのものであり、計り知れない力を
秘めながらも悠遠たる峡谷の姿です。
荘厳で厳粛な雰囲気に支配された画面からは、作家の大自然に対する深い畏敬の念が感じられるようです。

「黒部源流」
1995年(平成7年) 45.5×60.5 水彩

「上ノ廊下」
1995年(平成7年) 60.5×45.5 水彩

「黒部別山」
1995年(平成7年) 60.5×45.5 水彩

「黒部湖」
1995年(平成7年) 45.5×60.5 水彩

「黒部ダム」
1995年(平成7年) 60.5×45.5 水彩

「仙人谷ダム」
1995年(平成7年) 60.5×45.5 水彩

「飛龍峡」
1995年(平成7年) 60.5×45.5 水彩

「奥鐘山」
1995年(平成7年) 60.5×45.5 水彩

「猿飛峡」(上流)
1995年(平成7年) 60.5×45.5 水彩

「猿飛峡」(下流)
1995年(平成7年) 60.5×45.5 水彩
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