黒部峡谷を描いた作品
福井爽人作品集

「黒部T」
1993年(平成5年) 32×41
素描(鉛筆・パステル)
黒部峡谷鉄道の中程にある出平湛水池(だしだいらたんすいち)の様子を描いているのが、「黒部T」です。
昭和60年、出平ダムの完成により水没した樹々が、水面上に顔を出しながら立ち枯れています。
その様子は、見るからに幻想的で、この世ならぬ風情を漂わせています。
水面は、日や時間によって全く違う表情を見せ、時には清く澄み、時には神秘的な緑に染まります。
二度と同じ姿は見せない、うつろう自然の情景。
その幻想的な一瞬。
その一瞬を捕らえたのが「黒部T」です。
1993年初夏、水面近くまで、険しい斜面を降りて行き、草むらの中で、
蚊取線香の煙を頼りに虫と闘い、暑さとも闘いながら、描かれた1枚です。
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